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特例方式の更なる推進策として、次の提案をする。 
2008/11/17
2010/01/25
 
1.登記識別情報通知(書)の写しをPDF又は書面で提供することを認める。
2.申請人が電子署名した場合は、登記識別情報の提供を不要とする。
3.登記完了証を書面で通知する。 (2010.01.25 追記)

1-1 特例方式実施の事情と利用状況

 平成17年3月7日新不動産登記法の施行により、法務大臣の指定を受けた登記所(オンライン指定庁)に対して、オンライン申請ができることになったが、電子署名するための電子証明書が普及していないこと、添付書面が電子化されていないことなどにより、まったく利用されていなかったので、平成20年1月から、一部登記について登録免許税を軽減することと併せて、代理人の電子署名があれば申請人の電子署名が無くてもオンライン申請できることとし、電子化されていない添付情報は書面のまま提供する方式(特例方式)を実施することとした。
 特例方式の実施により、オンライン申請の利用率は急激に増加し、9月の集計では10%を超えたが、書面申請に比べて手間がかかるなど多くの阻害要因があり、充分に利用されているとは言いがたい状況である。

1-2 オンライン申請(特例方式)の阻害要因
 
 特例方式実施直後に発生した問題(特例方式特有の補正事例)は、登記所の不適切な対応によるものもあったが、慣れるに従って順次解決されている。しかしながら、申請書作成支援ソフトとオンライン申請システムに関する次の問題は未だ解決されていないため、特例方式実施後もオンライン申請の阻害要因となっている。

 ① 法務省オンライン申請システムの安定性(処理能力)に対する不安
 ② 出来損ないの申請書作成支援シフトの問題
 ③ 登記識別情報の提供方法の問題
 ④ 登記完了証の交付方法の問題 (2010.01.25 追記)


 阻害要因①は、新システムへの移行作業が完了するまで待たなければ解決できない問題であり、阻害要因②は、申請用ソフトとともに改良する必要があり、予算の問題と併せて、新システムが完成するまで解決できない問題かもしれない。
 しかしながら、阻害要因③は、新システムへの移行が完了するまで待つ必要も無く解決することができる問題である。

1-3 登記識別情報の提供方法についての提案

 法務省は、登記識別情報の提供及び交付方法はオンラインに限定していた。特例方式の実施に伴い、希望すれば、書面での交付も認めることとしたが、提供方法はオンラインに限定したままである。
 特例方式実施後も、登記識別情報を提供する場合は、出来損ないの申請書作成支援ソフトを利用して、オンラインで提供するための「登記識別情報提供様式」を作成し、申請情報とともに提供しなければならず、この作業は非常に煩雑であり、オンライン申請が利用されない要因の一つになっている。

 多くの場合、「登記識別情報提供様式」は、申請代理人が作成しており、代理人のパソコンには提供可能な状態の登記識別情報が保存されることになり、繰り返し利用する可能性がある場合は、申請人にオンライン申請の利用を躊躇させる要因にもなっている。
 そこで、更なる利用促進策として、登記識別情報通知(書)の写しを、PDF又は書面で提供することを認めるよう提案する。 
 
1-4 登記完了証の交付方法についての提案 (2010.01.25 追記)
 オンライン申請した場合は、登記完了証はオンラインで交付される。(不動産登記規則第182条第1項第1号)
 オンラインで交付を受けたファイルを書面に印刷しても登記官の印影は印刷されないため、金融機関が積極的にオンライン申請を利用しない理由の一つになっているため、オンライン申請した場合であっても、書面の登記完了証を交付することを提案する。

2-1 登記識別情報と本人確認情報

 登記申請する際には、登記名義人を特定するための情報として、登記識別情報を提供することになっており、提供できない場合は資格者代理人が作成した本人確認情報を提供すれば良いことになっている。
 本人確認情報を作成する際に申請人から提示を受ける資料は限定的に規定されており、写真付の証明書を所持していない申請人に対しては、事前に住民基本台帳カードの交付を受けるよう依頼し、申請人から住民基本台帳カードの提示を受けて本人確認情報を作成し、提供している事例も多い。

2-2 住民基本台帳カード(公的個人認証)利用の提案

 住民基本台帳カードは個人を特定するための情報であり、電子署名するための電子証明書として利用することもできる。
 資格者代理人が申請人から公的個人認証カードの提示を受けて本人確認情報を作成し、登記識別情報の提供に代えて提供することが可能であるなら、申請人自身が委任状等に住民基本台帳カードを利用して電子署名した情報を提供し、登記識別情報の提供に代えることも不合理ではない。

 電子署名することができる住民基本台帳カードが普及していないことも理由として、特例方式が実施されたため、特例方式実施後は住民基本台帳カードの利用について議論されていないが、電子署名の普及のためにも申請人を特定するための情報として電子署名を利用することを考慮すべきであり、特例方式の更なる利用促進のために、申請人が電子署名した場合は登記識別情報の提供を不要とする取扱いを提案する。