法務省のオンライン申請システムは、操作手引書を見ただけで、不正に侵入することが可能である。(京都地方法務局長)
法務省は、平成20年1月15日政省令を改正し、不動産登記のオンライン申請の要件であった申請人の電子署名を不要とし(代理人の電子署名は必要)、更に、電子化されていない添付書面については、書面での提供を特例として認めました。(特例方式と言う)
平成20年1月1日から、一部の登記については、登録免許税の軽減措置も実施され、特例方式が実施されれば、不動産登記のオンライン申請件数は飛躍的に増加することになりますが、不動産登記のオンライン申請については、電子証明書と添付書面以外にも、登記所の職員の端末操作に不安があること、申請書作成支援ソフトとシステムそのものの検証も充分にできていないことなど、多くの問題があります。
特例方式実施後、数多くのオンライン申請特有の不具合が出ることは充分に予想され、不具合解決のために司法書士と登記所は共同して対応する必要があり、お互いのパソコン操作を知る必要がありました。
そこで、平成19年12月25日京都地方法務局に対し、パソコンの操作手引書の開示請求をし平成20年2月25日開示を受けましたので公開します。
行政文書の開示請求があった場合、原則として開示しなければならないことになっていますが、京都地方法務局は、次の理由により一部不開示(実質全部不開示)と決定しました。
【一部不開示の理由】
「システムの操作方法を説明している部分については、公にすることにより、不正な目的を持った者等からのシステムへの不正な侵入や妨害行為が可能となるため」
つまり、京都地方法務局の不開示理由は、
法務省のオンライン申請システムは、端末の操作手引書を見ただけで不正に侵入することができるシステムである。と言うことです。
これが本当であれば、オンライン申請システムの利用をすぐに中止すべきです。
京都地方法務局の登記事項証明書の交付等の業務は、4月から、民間の業者に委託されます。つまり、見ただけでシステムに不正侵入することができる操作手引書を民間の業者に見せて、端末の操作も委託することになります。
法務省民事局民事第二課長は、「新しい不動産オンライン申請制度」(登記情報556号(2008年3月号))に、次のように書いています。
「本年の数値目標10%達成のためには、法務省、法務局だけではなく、司法書士,土地家屋調査士の協力なくして実現することができないので、資格者代理人として,オンラインの利用促進のために共に前進していただきたい。」
行政文書開示請求に対する京都地方法務局の決定は、乙号業務の民間委託と、登記情報での民事第二課長の考えとも明らかに矛盾するものであり、極めて不適切なものである。