「登記識別情報制度について考える司法書士の会」のご案内
<登記識別情報制度の重大な問題点>
登記識別情報は、不動産の取引現場でその真偽(有効性)を判断できず、失効制度によって、常に失効される危険があり、不動産取引決済の安全性が損なわれている。
登記識別情報は、オンライン申請のために創設されたものであるが、 現実には、オンライン登記申請の障害要因となっている。
当協議会は、致命的な欠陥のある登記識別情報を廃止し、新たな制度を提案するための意見を集約するために、HPとMLを開設しました。
HP・URL=
http://www.cablenet.ne.jp/~tsj-haishi また、当協議会は,以下の設立趣旨に基づき,登記識別情報廃止等の請願を行うことを予定して準備をはじめています。
<趣旨>
本協議会は,制度施行後,大量不具合発生事件を抱えたまま,約2年経過しようとする現在も未だに実務慣行として定着しない登記識別情報制度の欠陥を端的に指摘し,まず即時廃止を求め,市民のための司法書士として,オンライン新時代の登記実務モデルを開拓・普及し,登記制度の発展を期して,全国の司法書士の叡智を結集するために呼びかけるものです。
もちろん,不動産業界・金融機関・法務省法務局関係者・大学研究者・ジャーナリストなど広く市民の参加者を募集するものです。
*「TSJ協議会」のMLへの参加希望者を募集しています。
参加希望者は、
tsj-haishi@shimazaki-net.jp へ申込をお願いします。
<事務局>
島崎司法書士事務所 司法書士島崎仁嗣(埼玉司法書士会)まで
書式は自由ですが、メールの最初に「TSJ協議会参加申し込み」と書き、所属会、氏名、ご意見等をお書きのうえ、ご連絡ください。
お問い合わせ
《〒332-0032》島崎司法書士事務所 司法書士島崎仁嗣(埼玉司法書士会)
埼玉県川口市中青木二丁目20番37号 TEL 048-255-7552(直)・FAX 048-255-7502
E-mail :shima@sainet.or.jp (個人用) <URL>http:///www.shimazaki-net.jp
「登識問題の善後策の検討」Q&A これで登記識別情報制度の諸問題が解決できるのか?
~「登識研」報告書の第4 登記識別情報の改善策から~
By 「登識問題解消全国司法書士連絡協議会」編
・「円滑な不動産取引の決済の確保」の問題
Q1
登記識別情報の有効性確認に関する改善策として,「登記識別情報を提供しないで不通知または失効していることの証明の請求を可能とする(短期的検討課題)」とありますが,いかがですか?
A1
今回の規則改正案パブコメ後,実現の予定です。ただし振り合いについて調整中し,「登記識別情報を提供しないで失効していないことの証明の請求を可能とする(中期的検討課題)」もののようです。しかし,これでは登記識別情報そのものと物件との牽連関係が不明なままであり,依然として取引上の不安定要素(失効の危険)が残ったままです。しかも,本人の委任状と印鑑証明が必要な点には改正がない模様です。
Q2
「資格者代理人による職務上請求制度(申請人本人の委任状及び印鑑証明書を不要とする)を創設する(短期的検討課題)」とありますが,実際のところの見通しはいかがですか?
A2
上記1のとおり,不動産取引の実務で要望されている有効証明請求手続の簡素化を実現するものとして,この改善策の実施を特に要望するとの意見がありましたが,法務省は今回の規則改正案にも態度を保留し,現状のまま委任状と印鑑証明を要求するものと見受けられます。司法書士会の強い要望も全く通らない状況のようです。
Q3
ところで,有効性確認の手続きはいつになったら,「登記識別情報に関する有効証明を自動化する(中期的検討課題)」ことになるのでしょうか?
A3
民事二課では対応不能のため,総務課でオンラインシステム改修作業にて検討しているもようです。しかしレガシーシステム改善は平成20年度以降になるもようですので,その間に大量の登記識別情報の有効確認が必要な場合は法務局職員の手作業によることになるので,「失効の危険」は解消されません。
Q4
また「管轄登記所以外の登記所への登記識別情報に関する有効証明の請求」は可能なのでしょうか?
A4
これも「システム移行にあわせる(長期的検討課題)」となっており,いつになるかまったく未定です。他管の物件の確認が瞬時にできなければ,毎日,管内の物件だけとは限らず,決済場所を管内に選定するなど「いつでも,どこでも,だれでも」申請できなければ,不動産取引活性化と国民の利便性向上のためのオンライン化の趣旨にまったく反することになっています。
Q5
登記完了証に閲する改善策として「登記完了証の記載事項を充実させる(中期的検討課題)」ことは検討されているのですか?
A5
未定です。それは現行上,「登記完了証は,申請人に対する登記の完了の通知にすぎないものであることから,これに完了通知以上の機能を持たせることは疑問であるとの意見もあった」からと聞いていますが,むしろ本人確認情報資料への転用(1号書面以上の効果)など,人工物メトリクス加工などの偽造防止策とともに検討に値するものであります。
Q6
登記識別情報に関する証明について,「金融機関の代表者から支店長等に包括委任することを可能とする。併せて,法人の代表者に代わるべき者に関する証明(業務権限証明等)の取扱いを緩和する(短期的検討課題)」ことはいかがですか?
A6
まず公庫等の場合において先行して認める予定と聞いています。これが認められれば,本人確認情報の作成にも転用できます。
Q7
失効申出制度の改善策として,「登記識別情報に関する有効証明請求後,一定期間,失効申出をできないこととする。(中期的検討課題)」ことはどうですか?
A7
不動産取引の決済後に登記識別情報が失効する可能性があることが取引実務においては問題となっているから,これに対応する改善策として早期実施のための検討を強く望むとの意見があったようですが,個人情報保護の観点から,この失効の権利を奪うことはできないものとして,検討されないようです。つまり,「失効の危険」は永遠になくならない模様です。全法務労組の意見書も同旨です。
・「登記識別情報の保管・管理の問題」
Q8
保管・管理が煩雑であることについての改善策として,「オンライン申請の場合にも登記識別情報通知書の交付を可能とする(短期的検討課題)」というものがありますが,いかがですか?
A8
規則63で嘱託登記に認めていることから,導入するものと思われます。しかし,オンライン申請の場合にも,書面の登記識別情報通知書を交付するのであれば,何のために登記済証を廃止して登記識別情報制度を導人したのか,制度構築の根幹にかかわるものであり,「ナンセンス・本末転倒・改良した完了証で充分」という意見もあります。もっともな意見で,実に制度設計が稚拙であったかがわかります。また,「オンラインで通知する場合には,登記識別情報を物件情報とともに通知するシステムとする(中期的検討課題)」ことのようですが,システム上の検討もあり,実現可能なものか未定の状況です。したがって,依然として牽連性の問題は解決できないままです。
Q9
登記識別情報の漏洩のおそれについての改善策として「登記識別情報の提供をすることができない正当 理由を追加する(短期的検討課題)」がありますが,具体的には?
A9
資格者代理人が本人確認情報を作成する場合には,この改善策をとることで取引の円滑を図ることができ,この改正があれば,本人確認情報の提供は促進されるものと思います。しかし,正当理由の追加については,法第22条の趣旨から,単に,「登記識別情報の管理のため」を理由とすることについては,法制上の問題があるのではないかとの意見があったが,取引決済の現場で有効性検証ができない不都合を回避するために,所有権の全部移転又は担保権の全部抹消の場合であっても,「当事者の合意」等により,登記識別情報を利用せずに本人確認情報で申請することを可能にする必要があるとの意見もあったところ,法22条の書きぶりに注意しながら準則改正で可能の予定と聞くが,改正がなされるのはまだ先の見通しであります。
Q10
登記申請の際に登記識別情報を提供したときは,「(所有権の全部移転又は担保権の全部抹消の場合を除き,)新たな登記識別情報を通知する(長期的検討課題)」また「分筆登記の際に希望する者に対して登記識別情報を発行する(長期的検討課題)」ことが検討されていますか?
A10
検討されたようですが,現行システム上改修は不能であります。技術革新等に伴って,登記識別情報を,現行のものよりも更に保秘を徹底でき,保管・管理が容易なものとすることも可能であることを念頭に置くべきであるという意見もあったようですが,そのための時間と費用とその効果を考えると,非現実的と考えられます。
・「申請手続の簡素化の問題」
Q11
オンライン申請手続の簡素化についての改善策として「資格者代理人による申請に限り,登記識別情報の提供又は受領に必要とされる申請人の電子署名を省略し,資格者代理人の電子署名で足りることとする(中期的検討課題)」ことがありますが?
A11
早期に実現されるべきでありますが,別送方式が導入される予定であり,実務界の要望次第というところでしょうか。ただし,現場の声,仕事量の削減と人員削減のバランスを考えると,オンライン推進可能な現実策だと考えられます。
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現在の参加メンバー(敬称略)(順不同)(2007.10.17現在)
東京 石原久雄・若鍋敬治・阿部比良夫・小金沢章彦・川村兼司・平塚 博・山﨑 晃
神奈川 新保善浩・佐藤純通
埼玉 臂美恵子・鈴木一也・藤縄雅啓・齋藤博厚・山嵜秀美・島崎仁嗣
千葉 坂巻正勝
茨城 黒田祥史
栃木
山梨 大石信・芦澤俊樹
新潟 片岡富雄
石川 西浦利博
福井 滝本雅康
愛知 前田信一・大崎宏則・太田文安・小林由夏・小島勝彦・西田孝之
三重 水谷公孝
京都 大西知輝・小野慶・小阪正人・武田則昭・今西晟介・盛岡登志夫
滋賀 長谷川清
岡山 正影秀明
広島 高木保男
島根 間野大司・木原聖
福岡 宗守浩
教授 七戸克彦(九州大学大学院)
宅建業 別所遵夫(全国宅建業協会連合会理事・元「登識研」委員)
報道 NHK 科学文化部記者)
IT業 高尾周太郎(㈱上越第一コンピュータさいたま営業所)
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「登記識別情報」制度の即時廃止等を求める請願書(抜粋) 平成19年 月 日
法務大臣殿
【請願の趣旨】
不動産登記法第1条は,「この法律は,不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度について定めることにより,国民の権利の保全を図り,もって取引の安全と円滑に資することを目的とする」と規定しています。
しかしながら,本法によって導入された「登記識別情報」制度は,18年8月の「不適当な登記識別情報発行」事件をはじめとして,日々の不動産取引に支障を来たしています。これは,不動産取引実態を把握せずに導入されたからであります。しかも,電子政府構想を前提とする電子申請のための制度であるにもかかわらず,この「登記識別情報」制度の存在が,電子申請の阻害要因にもなっております。
したがって,私たちは,国民の権利保全と取引の安全と円滑に資することを目的とした不動産登記制度とするため,以下の請願事項を求めます。
【請願事項】
1.登記識別情報制度をただちに廃止してください。
登記識別情報制度は,国民の権利保全の上でも,不動産取引上も,オンライン政策上でも,致命的欠陥のある制度です。欠陥是正措置について公表することもできない制度は,それ自体が新たな欠陥を生み出す土壌であります。パロマや不二家事件以上に致命的欠陥のある制度であることを認識すべきです。
2.登記識別情報はオンライン指定庁において通知されるため,まずオンライン指定のうち甲号指定(不動産登記法附則6条)を取り消してください。
オンライン庁の指定は,登記事務(甲号)と証明事務(乙号)にわけて指定することができます。電子政府の目的である「簡素で効率の良い」行政の達成のために,まず乙号指定(不動産登記規則附則17条)を推進すべきです。
3.制度廃止後は,登記完了証を改良してください。
100年以上に亘る旧来の登記済証制度に配慮して,登記完了証を「登記済証」的利用ができるよう改正してだださい。
(以下略)